スイス西部のレマン湖北岸に位置するヴヴェイという避暑地にコルビジェが両親のために設計し、建てた家「母の家」があります。
建築は通常、土地(ロケーション)選びから始めるのですが、コルビジェは先に図面(間取り)を描き、その図面にふさわしい場所を探すという逆の手法を取りました。
そして、この建物に相応しい場所がレマン湖を眺めることができるこの場所だったわけです。
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母の家
行く前に読むとオススメの本
小さな家―1923 著:ル・コルビジェ 翻訳:森田 一敏
図面、スケッチ、この家についての説明があります。
昨今、ミニマムな家が流行ってますが、100年前の早い段階でコルビジェは最小限な住宅について考えていました。
物が溢れる現在社会、豊かさとは何か?必要な物は何か?このようなことを考えさせられる1冊となっています。
世界遺産
2016年にル・コルビジェの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献として
世界遺産にも登録されており、
共通の特徴と背景を持つ構成資産を一つの世界遺産として登録される、
シリアル・ノミネーション・サイトとして、母の家も世界遺産として登録されました。
行き方
◼️行き方
①ローザンヌ駅へ
チューリッヒ中央駅からローザンヌ駅まで電車で約2時間15分
ジュネーヴ駅からローザンヌ駅まで電車で約35分
②ローザンヌ駅からヴヴェイ駅まで電車で約15分
③ヴヴェイ駅から徒歩約20分
湖沿いは平坦な土地なので、それほど苦ではないです。
※途中にネスレの本社があります。
料金(2023年現在)
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入場料
一般:14スイスフランor 15ユーロ
学生:12スイスフラン or 13ユーロ
子供:9スイスフラン or 10ユーロ
※現金のみ
ガイド付きツアー(仏/独/英)
120スイスフラン+入場料
ツアーの時間は、約60分
営業時間(2023年現在)
9月2日〜10月29日 土曜、日曜 午後2時〜午後5時
主に夏季シーズンの土日しか空いていません。年度毎に変わるので、詳しくは、http://villalelac.ch/en/information にて確認をお願いします。
見学の所要時間
建物自体が大きくないので、1時間程あれば一通りゆっくり眺めることができます。
建物の見どころ
コルビジェが提唱する「近代建築5原則」のうち、3つがこの建物に該当します。
①連続水平窓
窓辺からレマン湖を眺めることができます。
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②自由な平面
幅4m、奥行き16mの小さな家ですが、
回遊式動線となっており、ぐるりと建物内を回ることができ、効率的な間取りとなっています。
また、このような機能的で当時としては新しかった住宅の建築様式をコルビジェは
「住宅は住むための機械」という言葉で表現していました。
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③屋上庭園
建物の西側にある階段を登ると屋上庭園があります。
レマン湖を少し高い所から眺めることができます。
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近代建築5原則以外にも、庭にあるテーブルと窓は必見です。
この壁をくり抜いた窓とテーブルは、外部のような内部のような、
どちらとも言えない特別な場所となっています。
現地に訪れた際は、椅子がありますので、ぜひ座ってみて景色を眺めてみてください。
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その他 建物について
1924年、建物が竣工した時は白い壁で統一された住宅でした。
しかし、地下室の地盤下で地下水位上昇による圧がかかったため、それに耐えきれず外壁にヒビが入るようになりました。
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そこで、北や西の外壁を亜鉛メッキ鋼板でカバーしたり、
南(湖側)の外壁をアルミニウムシートでカバーをする改修を行なっています。
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キッチン コンパクトで可愛らしい。
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感想
私のお気に入りは、庭の窓です。
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ここに座って湖を眺めると、景色が額縁の中に埋め込められたような見え方になり、絵画を観ているような気持ちになりました。
また、この家は廊下がなく、各部屋が連続していますが、ベッドや浴槽などが壁で見えないようにしていたり、ゲストルームに対し可動の間仕切りを設けるなど、プライバシーを守るアイデアが詰まっていました。
コルビジェは「住宅は住むための機械」と言っていて、無機質な発言だなと思っていました。
たしかに、この住宅も彫刻的なものがなく、引き算のデザインで無機質です。
しかし、実際に訪れてみて感じたのは、前述のプライバシーを守るアイデアなど、さりげない気配りがあり、どこか温かい家であることに気づきました。
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